冬のイエローナイフの服装について

伊豆(城山)へクライミングトリップに行ってきた。

カナディアンロッキー夏の観光シーズンが終わり、日本に一時帰国している。

日本滞在中に決まっていた予定は伊豆へのクライミングトリップだ。

パートナーは、2016年の夏にカナディアンロッキーで一緒に働いたガイド仲間のTと、その彼女のAちゃん。

クライミングをはじめた時期がほぼ同じで、登るグレードも5.11台ということで、一時帰国のタイミングに合わせて誘ってもらったカタチだ。

僕はバンフでクライミングをはじめたので、日本の外岩でのクライミングははじめて。

日本はグレーディングは辛いと聞いていたし、帰国してから一ヶ月くらいまともに登っていなかったので、「5.11aが登れたら上出来かな」という気持ちだった。

(この時点での最高グレードは5.11c

城山クライミングエリアの基本情報

[aside type=”boader”]岩質:凝灰岩

ルート数:約300

アプローチ:1530分 [/aside]

今回のクライミングトリップで訪れた岩場は、伊豆 大仁の城山というエリア。

歴史あるクライミングエリアで、1960年台から多くのルートが人工登攀によって開拓されたそうだ。その後1980年前後にフリー化され、今では多くのクライマーでにぎわう人気エリアになっている。

実際、ルートによっては順番待ちができるくらい人が集まっていた。(日曜日)

 

城山でのキャンプ(車中泊)について

キャンプ地
スーパーマーケットAPITAの裏にある堤防を越えると広場になっている。トイレが近く、水道があるので飲み水も補給できる。(登山道近くの湧き水を飲んだらお腹をこわしたので注意)

洗濯
APITA近くにコインランドリーあり。長期滞在も可能。

シャワー
近くに300円くらいで利用できる安い銭湯や温泉があるが、僕たちはキャンプ地から車で20分ほどの場所にある湯~とぴあという温泉施設を利用した。

施設には銭湯だけでなく食堂や畳の大部屋でくつろげるので、ストレッチやゴロ寝もできる。クライミングで疲れた身体を癒やすのにとても良かった。

1000円/3時間(露天風呂が工事中のため500円だった)

食事
スーパーマーケットAPITAで惣菜を買うのが安い。7時以降が値引き率が上がっておトク。食材を買って調理もあり。

キャンプ地周辺は国道沿いなのでレストラン、ファーストフードは充実。沼津なので寿司もうまい。

レスト日は少し遠出してさわやかのげんこつハンバーグを食べた。普通にうまい。

Wi-Fi、充電
キャンプ地近くのローソンでSAVASのプロテインドリンク(150円と高いけど、うまい)を買うついでに充電&Wi-Fi接続。

非常に快適なキャンプ生活。ガソリン代含め、2000円/日くらいの支出。

 

城山でのクライミング雑感

ハートルート丨南壁

南壁エリアは一番人気があるようで平日でも何人かクライマーがいた。いくつか登ったけど、面白かったのはハートルート(5.11a)で、トポでは☆2つの人気ルート。

核心は中盤のクラックで、デッド気味に右手を突っ込むとこ。ジャムっぽくとったら皮膚がえぐれたから、テーピングで保護しておいたほうがいい。

 

ゴルゴンゾーラ丨クッキングワールド

5.11a、ボルト3つのボルダーチックなルート。

たいしてむずくないと思ってやってみたら2ボルト目をクリップできずグランドフォール。本来クリップするところをとばし、登りすぎたのが原因。ビレイヤーには落ちることを告げていたが、想像以上に落下距離が大きかった。

おそらくロープが伸び切ったところで地面に衝突したので、かすり傷だけで大きなケガをせずにすんだ。

次のトライで一応RPしたけれど、ビビってしまいその後のクライミングにかなりの影響を残す。

以下、備忘録。

  • 2クリップ目をかける手前は危険
  • 落ちる前に腰を落とすなど、少しでもクライムダウンする

 

ジゴロ丨ワイルドボアゴージュ

5.11b/c、☆2つの好ルート。

ムーブを解くのが難しく、何度もトライしてTと一緒に少しずつドローをかけていった。

これまでどのルートも2,3回のトライで登れていたけれど、ジゴロは10回以上トライした。全力でトライしないと登れないルートなので1日に登れるのは3,4本。

結局RPするのに4日もかかってしまった。

 

クライミングの楽しさ

時間をかけたから印象に残っているのかもしれないけれど、ジゴロを登ってわかったことがひとつある。

どうしてクライミングが楽しいのか、ということだ。

僕にとってジゴロは、とにかく集中力が必要なルートだった。

ホールドの位置、かかる向き、足の置き場を完璧に把握し、ムーブを記憶する。

ムーブのバリエーションが多く、序盤から一定の傾斜が続き疲労がたまるから、雑な登りをするとすぐに腕がパンプしてしまう。

上部の完全に休みきれないレストポイントで、どの程度回復したら次の手を出すのか。

レストの時間は長すぎても短すぎてもいけない。自分を研ぎすませ、筋肉の疲労具合と回復量を計る。

どう登るかをすべてシミュレーションし、それを間違いなく再現する精度が問われた。

◇◆◇

集中。

とにかく集中する。

ひとつひとつ、丁寧にムーブをこなしていく。頭の中は次のムーブのことだけ。

登ることだけに集中する。雑念を一切なくす。

高度を意識するヒマもなく、終盤の核心クラックに左手のジャムを決める。

「オシッ」と小さく叫んだ。

◇◆◇

こんなに楽しいクライミングをしたのははじめてだった。

登ることに集中することは、それ以外のことを考えないということだ。たったひとつのことだけに集中できる瞬間ってそんなにあることじゃないと思う。少なくとも、僕にとっては人生で初めての経験だった。

ジゴロを登れたことよりも、ジゴロに集中しきっている瞬間の連続がいいようもなく楽しかった。自分のフィジカル、技術を最高のレベルで発揮してギリギリ登れるあの感覚。クライミングの楽しさってこういうことか、とその日は興奮してなかなか眠れなかった。

ジゴロ、超オススメです。5.11b,cがギリギリ登れるくらいの人はぜひ。

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