セルタの街から乗り合いバンで30分ほど走る。
白く大きな仏塔群を通り抜けると、そこは別世界。いや、異世界が広がっていた。
赤紫に濃い灰色を混ぜたような色。チベットカラーのバラックが山の斜面を埋め尽くしている。同色の袈裟を着た僧侶がいたるところに、ところ狭しと歩き回っている。一日中間断なく、どこにいても、スピーカーからお経が流れてくる。
ラルン・ガル・ゴンパ。
カリスマ的人気を誇る高僧の元で修行をしようと、各地から僧侶が集まったことで出来た巨大な仏教コミュニティ。いわゆる街や村といったカテゴリーに分類出来ない特殊な場所。
坂道を駆け上がるにつれ、景色も、音も、空気も変わっていった。
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