タンゴンパ(寺院)から少し離れた場所にある小さなお堂。
そこで出会った老人。孫を連れて巡礼中なんだという。ラサにも行ったそうだ。
日本人旅行者は、ラサは漢民族だらけで面白くないという人が多かったので、
「ラサとリタン、どっちが”好(ハオ)”ですか?」
と尋ねてみると、
「どちらも”好”だよ」
という答えが返ってきた。
優劣という概念にとらわれないチベット仏教徒らしい答えだった。
「あなたはラサに行ったかい?」
今度は老人が僕に尋ねる。
「我想去、有一天(いつか行きたいです)」
老人は僕の手を握りしめお経を唱えると、孫を連れてお堂を去って行った。
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