ホワイトホースのオーロラ観光の詳細・料金

一泊二日のBugaboos クライミング トリップ

この記事は、2019年7月20〜21日におこなったBugaboosクライミングトリップについての記録です。

Bugaboos(バガブーズ)ってどんなとこ?

Bugaboos

Bugaboos(バガブーズ)は、カナダでもっとも有名なクライミングエリアのひとつです。良質な花崗岩の山に囲まれたクライミングエリアで、現在ぼくが滞在しているボウバレーエリア(石灰岩の岩場)とは異なるクライミングが楽しめる山域です。

クライマーの友人たちがSNSでアップする写真を見ては、「いいなー、いつか行けたらなー」と思っていた場所でした。

今回のBugaboosトリップの経緯と目的

実を言うと、Bugaboosには来年行く予定でした。

日本にいるクライマーの友人TとAが2020年の夏にカナダに来れるかもしれないということで、ぼんやりと計画を立てていたのです。

「行くなら最低でも一週間。今年はスコーミッシュで花崗岩の登りに慣れて、来年はバガブーのマルチを思いっきり楽しむ!」

そんな風に思っていた矢先、「キャンモアからバガブーなら車で3.5時間くらいだし、1泊2日の日程でも十分楽しめんじゃない?」という話を先輩クライマーから聞きました。

「1泊2日か・・。それならパートナーの休みに合わせれば行けちゃいそうだな。まだ花崗岩に慣れてないし、クラッククライミング初心者だけど、来年のためのトライアルと思って行ってしまおうか。・・よし、行こう。」

こんな感じで、2019年夏のバガブートリップが決まったのでした。

持っていったモノ

個人の装備

  • バックパック 55リットル
  • 寝袋
  • マット
  • 食器(器、フォーク)
  • ハーネス
  • クライミングシューズ
  • ビレイデバイス
  • 環付きビナ(4枚)
  • ノーマルビナ(4枚)
  • ダイニーマスリング(120×2本)
  • コネクトアジャスト
  • カム (0.3~3.0)
  • アルパインクイックドロー(5本)
  • ナッツキー

パートナーとの共有装備

  • テント
  • ジェットボイル
  • 70m シングルロープ
  • カム (0.75~4.0)
  • ナッツ

テントはMSRのhubbahubbaです。2人パーティなので十分な広さ。

寝袋はSea to Summitのsp2

ウエア

  • Tシャツ(メリノウール×2枚)
  • クライミングパンツ
  • フリース
  • ライトダウンジャケット
  • レインジャケット、パンツ
  • ハイカットのハイキングシューズ

Tシャツは信頼のIce Breakerのメリノウール。汗の吸収、発散性能がバツグンです。

1泊2日くらいならTシャツの変えは必要ないかと思いましたが、アプローチで汗をかいたあとすぐにフレッシュな状態にしたいので、1枚余分に持っていくことにしました。

フリースはpatagoniaのR2。いつもクライミング(ショートルートのとき)に持っていってます。

バガブーはちょっと寒いと思うのでライトダウンを追加。

靴はハイカットのハイキングシューズにするか、ローカットのアプローチシューズにおするかで迷いました。ぼくは足腰に自信がないのと、捻挫が怖かったのでハイカットに。ハイカットは重いし岩場で不便だけど、我慢します。

食料、水

  • プラティパス(1L)
  • BCAA
  • クリフバー(4個)
  • 乾燥フライドライス(夜、朝)
  • 乾燥マッシュポテト(夜、朝)
  • 乾燥トマトスープ(夜、朝)

「山では昼食はなし。行動食のみ」という基本を知らず、今回ぼくはクリフバーを4つしか持っていきませんでした。

朝食のマッシュポテトを半分、行動食として残したものの、全く足りず。パートナーからクリフバーを分けてもらいました。

補足
バガブークライミングのベースになるアップルビーキャンプサイトは、駐車場から歩いて3時間くらいの場所にあるので、スーパーマーケットなどのお店は一切ありません。食料は自分で運ぶことになります。

今回は1泊2日なので食料の重さは気になりませんが、長期遠征となると80リットルのバックパックを食料でいっぱいにしてのアプローチになって大変です。

Bugaboosへのアクセス方法

キャンモアから4時間ほどドライブし、Soires Trailの駐車場に車をとめます。

駐車場にはトイレがあるので、ここで済ませておきます。この後はアップルビーキャンプ場までありません。

車が網のようなもので囲んであるのは、ヤマアラシがタイヤを噛んでしまうのを防ぐため。網は駐車場にたくさん転がっているものを使わせてもらいます。

1日目:アップルビーキャンプ場へのアプローチ

SPOTという信頼できる天気予報で調べたところ、1日目は夕方まで雨。天気が良ければ早朝にキャンプ場まで上がり、簡単なルートを一本くらいやりたかったのですが・・。

こればかりは仕方なく、昼頃にキャンモアを出発し、駐車場で雨があがるのを待ちます。結局、歩きはじめたのは17時でした。

トレイルヘッドにて。

距離:4.35km、標高差:980m

こんな感じで登っていくらしい。まずはApplebee Campgroundを目指します。

歩きはじめて30分くらいは傾斜のない平坦な道が続きます。疲れないように意識してゆっくりと。 ロッキーよりも植生が豊かで、湿気を感じます。

スノーパッチスパイヤーと氷河が見えてきました。これはテンション上がる!!

樹林帯を抜けると、あとは急登とまでいかない微妙な傾斜のトレイルをひたすら歩きます。

ところどころに水場あり。飲み水として推奨はされていないけど、ぼくは飲んでも大丈夫でした。(ガブ飲みはしてない)

途中、鎖場やハシゴがあります。しっかりと整備されたトレイルって感じ。

森林限界をこえる。花崗岩がゴロゴロしている。もうすぐこの岩を登れると思うとワクワクします。

途中にあるケインハット。ここに泊まれるとテントを持たなくていい分、軽量化できます。

到着!ぴったり3時間でアップルビーキャンプ場につきました。そして晴れてきた!

キャンプ場利用料として一人につき10ドル支払います。

なるべく平らな場所を探してテントを張る。満足のいく水平は先客にとられていたけど、景色的には最高のロケーション。

夕食のメニュー。乾燥フライドライス、乾燥マッシュポテト、乾燥トマトスープ。(ちなみに翌朝も同じメニュー)

水は湖から汲む。水道は壊れていた。

疲れた身体にクノールの濃い味付けがウマい。そしてこの絶景である。

寝る前に、明日のルートをトポで確認。

月が明るく、スノーパッチスパイヤーの山肌がくっきりと。美しい夜。

撮影機材

夜景の撮影に使ったのは、Sony RX100 m3というコンパクトデジカメ。1インチセンサーの高級コンデジだけあって、夜でもなかなか写ってくれています。上の画像は、f1.8SS6.0iso1600で撮影しています。

三脚はManfrottoのミニ三脚。星を撮るには固定しないといけないので、嵩張るけど持ってきました。ゴリラポッドよりも重いけど、そのぶん安定感があってオススメです。

2日目:クライミング at McTech Arete

2日目、4時起床。

テントの中でささっと食事を済ませ、5時には目的のルートMcTech AreteのあるCrescent Spireに向けて出発した。

月明かりが強いので、ヘッデン無しでもそれなりに視界がある。

先にバガブーinしていたTとMと、途中まで一緒に歩く。
彼らはBugaboo spireのNE Ridgeを登りに行った。

気温はマイナス2,3度(?)くらい。風がないのでそんなに寒さは感じない。雪はしまっていて歩きやすく、取り付きまで40分ほどで到着した。

ぼくたちが登るルート。McTech Arete 6P(5.10-)

先行パーティがいたため、待機。動いていないと身体が冷えてくる。岩はかなり冷たく、触っていると指の感覚がなくなる。(こんなんで登れるのか?と不安になる)

P1 (5.10)

下部は、巨大なクラックをステミングしながら登る。その後はハンドクラックに沿って登る。

正直、5.10ならクラックを登れなくてもフェイスの登り方でなんとでもなると思っていたが、全然歯がたたなかった。リードなんてできる気がしない。

P2 (5.10-)

リードで登るEが苦労していたピッチ。テンションをかけながら登っていく。Eによると、「久しぶりのクラックは怖い。今の実力ではカムが足りなかった。(Eは1年以上花崗岩を登っていない)」とのこと。

さて、フォローのぼくは、どんな風に登ったか覚えていない。印象的だったのは、ナッツが取れなくて苦労したこと。外すのに15分くらいかかった気がする。後続パーティが見えていたので、遅くて申し訳なくなった。

ナッツ外すのって難しい。

P3  (5.4)

ここだけが唯一、かんたんなピッチだったので、リードで登らせてもらう。15mの5.4なら登れないわけない、と思っていたら、ルートが見つけられずに右往左往。結局Eに変わってもらい、彼はすぐにアンカーを見つけた。

備忘録
ルートを見つけるポイントとして、そのラインが登られているかどうかを見極めることが重要。すなわち、クラックに土がついていないか、チョークがついていないかなど。

スポートルートと違って、ボルトがないのでどこを登っていいかわからない(そして今回はグレード的にどこでも登れてしまう)という難しさがトラッドルートにはあるということを学んだ。

Climb some corners and easy ground up and to the right to another anchor. (5.4)

P4 (5.9)

陽があたってきてポカポカ、を通り過ぎてジリジリと焼けるように暑い。寒暖差がすごい。半袖になり登る。このあたりで、少しだけクラックの登りに慣れてくる。といっても下手だけど、足のジャムの痛みに耐えられるようになってきた。

P5 (5.8)

特筆することなし。

P6 (5.7)

最終ピッチ。ルートをミスっており、5.7ではなかった(?)

二本のクラックでステミングしながら、足と手をピンピンに伸ばして身体をあげていく。持てそうなカチがあるが、ボロい。試しにもってみると、簡単にはがれてビビる。やはりクラックをつかって登るしかなく、恐る恐るのぼる。

フォローじゃなかったらくりだせないようなムーブでなんとか登り切る。

記念撮影。

動画。頂上にて。

登頂後

数パーティが先にラッペルダウンし、僕たちもつづく。

ハーネスのロープを外した時に、ビレイデバイスをカラビナごと落としてしまった。さいわい、回収可能だったが、焦った。カラビナには触れてないつもりだが、記憶はは定かではない。疲れていて集中力がなくなっていたのだろうか。こういうミスをしてしまうのは致命的だ。

数回のラッペルダウンの後、キャンプサイトに戻った。

疲れと脱水のため、膝がガクガク。ゆっくりと歩く。キャンプサイトに着いたら1時間くらい寝よう。と、思っていたが、着くなりすぐに荷物をまとめはじめるE。(休めみなしで下山か・・)

10分だけ、完全に眠る。どうしても横になりたかった。

まとめ

こんな感じで、はじめてのバガブークライミングは終わりました。

ものすごく疲れたけど、学んだことが多く、充実したクライミングになりました。楽しかった。そしてなにより怪我がなくてよかった。これからも安全にクライミングできるように、知識と技術を学ばなければ。

 

*反省と備忘録についいては、別にまとめました。

Bugaboosクライミングトリップ|反省点と備忘録

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です