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サミュエル氷河を見に一泊二日のバックパッキング。【ユーコン・ハイキング】

7月です。本格的にユーコンの夏がやってきました。ハイキングの季節です。

ぼくはアウトドアが好きですが、実はハイキングに関してはそうでもない。いや、好きは好きなんだけど、クライミングに比べると熱量はだいぶ低い。

もともと体力がないので、登りは辛いし、下りは膝がガクガクになってしまう。ゆえに遅く、友達と一緒にハイキングをすると必死でついていいかなければいけなくなり、シンドいのです。

しかしです、せっかくユーコンに住んでいるし、ユーコンならではの景色も見てみたという思いはある。(クライミングもパートナー少なすぎてあまりできないし・・)

ということで、ハイキングしてみようと思いました。

  • スペクタキュラーな景色が見たい
  • でも標高差のあるトレイルはいやだ
  • 日帰りでなく、1泊くらいのバックパッキングがしたい

こんな都合のいい条件にあうトレイルなんてあるんだろうか。友人に聞いてみると、いくつか候補をあげてくれました。

そのひとつが今回行ってきた、サミュエル氷河トレイルです。

サミュエル氷河について

サミュエル氷河は、ユーコン準州の州都ホワイトホースから車で4時間ほど移動し、そこから5時間くらい歩いた場所にあります。

実はサミュエル氷河が位置するのはユーコンではなくブリティッシュコロンビア州北部。ですが、ユーコンからでないとアクセスできないという変な場所にあります。

トレイルヘッドの位置▼

バックパッキングの装備について

68Lのバックパックで12kgくらいの荷物を背負っていきました。

水は3リットル。トレイルには小川がいくつかあるので、こんなに必要ないですが、体力つけるためのウエイトとして、多めに持っていくことに。

食料は簡単にすませました。

  • おにぎり2つ(昼)
  • クノールのフライドライス(夜)
  • クノールのスープパスタ(朝)
  • クリフバー、ナッツ(行動食)

クノールは一袋で二人分くらい作れるので、お腹いっぱい食べられます。調理時間15分と長いのがネック。ガス消費も多い。

クマについて

ユーコン ハイキング

クマはいます。クマだらけの土地といってもいいくらいいます。

対策はベアスプレーと、ベアキャニスター。

ベアスプレーは、唐辛子スプレーのようなもの。万が一熊に襲われたら吹きかけて応戦します。射程距離は5m。本気でクマが襲ってきたら多分間に合いません(怖っ)

ベアキャニスターは、食料をいれておくコンテナです。クマが蓋を開けられないような構造になっています。丈夫なので壊すこともできません。

ただし、ベアキャニスターは食料の匂いを密閉しているわけではありません。クマはよってきます。クマが人間の食料を食べられないようにするための対策です。

ユーコンでバックパッキングをするならほぼマストなアイテム。これが重くて(1.8kg)、かさ張るので非常にパッキングしずらいのです。

ちなみに熊よけの鈴はつけてません。

サミュエル氷河バックパッキングの内容(写真多めで解説)

トレイル info

歩行距離:27km
高低差:167 m
難易度:中

※難易度:中としたのは、展望地からアイスケイブまでのがれ場でルートファインディングが必要になるから。トレイルはなく、自分で歩きやすい場所を選ぶ必要があります。

サミュエル氷河トレイルは、高低差がほとんどなく平地を歩くだけなんですが、歩行距離は往復で27kmとそれなりに長いです。ホワイトホースから4時間かけてドライブすることもあって、日帰りはちょっとキツイかも。

全行程の半分はATVトレイル(バギーのような車のための道)になっていて、とても歩きやすいです。ただし、最初のほうは景色が単調であまりおもしろくないセクションがダラダラ続きます。

登山口のはこんな感じ

ATVトレイルがダラダラと続く。

1.5時間ほど歩くと、雪のかかったカッコいい山々が見えてきます。青空が見えてきてテンションあがります。

おにぎりがおいしい。

グリズリーベア発見。15mくらいの距離でしたが、こちらにはまったく関心がないようであまり恐怖はなし。

ひたすら草(花?)をむしゃむしゃと食べていた。

サミュエル氷河トレイル最大の難所?である、渡渉ポイント。川幅は10m弱かな?

氷河のとけ水だから、めちゃくちゃ冷たい。一瞬で脚が痛くなります。

さらに1時間ほど歩くと、目的地の氷河がみえてきます。ちなみにこの日の気温は17度くらい。風が吹いていたので、半袖で歩いているとあまり汗もかかず快適でした。

この日は氷河の見える丘でキャンプします。到着時点で19時くらい。7月のユーコンは夜でも真っ暗になりません。

風が強く、テント設営が大変。

テントから離れた場所で調理します。これはクマ対策のためです。テント、調理場、食料保管場をそれぞれ50m以上離れた場所に設置します。

クッキングにちょうどいい感じの岩。

トマトスープパスタ。うまうま。

Kamiya

なにが素晴らしいかって、ここにいる人間はぼく一人だけということ。この景色を誰にも邪魔されることなく堪能できる。なんて贅沢なんだろう。。

2日目、氷河を目指して歩きます。テント場から下っていくんですが、モレーン帯なので植物はほとんどなく、岩ばかり。道もないのでルートファインディングしながら(迷いながら)進みます。

初日と比べてあるきにくいガレ場。

氷河の先端が洞窟のようになっている

テント場から2時間弱歩いて、氷河の洞窟に到着!氷河も溶け水が轟音をたてて流れています。

到着!けっこう寒い。

グレイシャーブルーというんでしょうか。氷の青さがすごいです。洞窟内は上からポタポタと水がおちてきます。少しずつ溶けている。崩壊しないだろうか・・・

洞窟の奥へと進んでいく。

クレバス。美しい。

サミュエル氷河バックパッキングの動画

動画をつくってみたので、これ見てもらえればイメージつかめるはず。ほんとに美しい場所です。

夏にユーコンを旅行する予定のある人は、ぜひぜひ行ってみてください。

ホワイトホースからサミュエル氷河に行く途中にあるクルアニ国立公園でもハイキングやキャンプを楽しめるので、1週間くらいこのあたりを周ったら楽しいと思います。

バックパッキングを終えて

さて、今回はじめて一人でバックパッキングをしてみたんですが、これが本当に楽しかった。

ひとりで歩くトレイルは孤独感よりも開放感がまさり、周囲に人の気配がないことが言いようもなく心地いいのでした。

天気がよかったこと、ハードなトレイルでなかったこと、日照時間の長さのお陰で時間に余裕をもって行動できたことなど、好条件が揃っていたのも、充足感が大きい要因だと思います。

「ハイキング行くくらいならクライミングがしたい」と、思っていたけど、これはこれで別の楽しさがありました。時間をさいてやる価値のある行為と思えるようになったのが、今回の一番の収穫かもしれません。

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