ホワイトホースのオーロラ観光の詳細・料金

ぼくのカナダ略歴|イエローナイフ→フォートレス→カナディアンロッキー→ホワイトホース

この記事では、ぼくのカナダでの経歴についてまとめます。

まずはじめに、そもそも何故カナダに来たいと思ったのか。それはカナダ先住民の狩猟文化に対する興味からでした。

「英語を上達させたい」とか「海外で働いてみたい」なんて気持ちはほとんどなく、カナダ先住民と一緒に暮らして狩猟をする、というのが目的です。

理想としてはワーホリ期間すべてを先住民の村で過ごしたかったんですが、一年間働かずに遊んでいられるほどお金は無く、先住民の知り合いもいないのでどこに行けば会えるかもわからない。

まずは先住民とのコネクションをつくらないと。そのためにはカナダの拠点をつくらないと何もはじまらない。

ということで、先住民がたくさん住んでいるであろう極北カナダの街イエローナイフにいってみたことがはじまりでした。

2015年(冬〜春):イエローナイフでの生活

A社で働く

A社にて。見る人が見たら、伏せ字にする意味はない。

イエローナイフでは、A社というオーロラツアーの会社で働きました。

極北の街イエローナイフに行けば先住民と知り合えるだろうと思って働いてみましたが、これが大失敗でした。スラムダンクでいうところの矢沢です。「バスケットの国アメリカの、その空気を吸うだけで僕は高く跳べると思っていたのかなぁ」というやつです。イエローナイフにきても狩猟をしている先住民には会えませんでした。完全に見通しが甘かった。

そもそもA社は、ツアーガイドの7割が日本人のワーホリ、他2割が台湾やオーストラリアなどのワーホリ、残りがカナディアンというワーホリだらけの会社です。

先住民の従業員もいたけれど、都会的な生活をする人ばかりで想像していた「先住民的」な先住民とは知り合えなかったのでした。

「おいおい勘弁してくれよ、せっかく仕事辞めてまでカナダに来たのに・・」と絶望的な気分になったものの、収穫がゼロだったわけではありません。

A社で一緒に働く友人の一人が、別のツアー会社(B社)で働いていた経験があり、「あそこなら先住民がたくさんいるし、犬ぞり専門のツアーやってるから面白いよ」という情報をくれたのです。

ワーホリとはいえ一度入った会社をやめ、さらに同業他者に移るのは気が引けました。が、ここに居続けても目的は果たせないことは確実・・。ということで、働いてたった2ヶ月でA社からB社に移りました。

B社で働く

B社にて。橇イヌの犬舎。

ここでの仕事は本当にハードだった。1日の平均労働時間は15時間以上、4ヶ月間のうち休めたのはたった2日。おそらく、当時カナダでワーホリしていた人のなかで一番働いていたのは僕だと思う。なんの自慢にもならないけど。

と、話はそれましたが、B社で働いたことで得られたものがふたつあります。

ひとつは貯金。これはもう圧倒的な労働時間があったので、普通のワーホリのひとが1年かかって稼ぐ金額を、4ヶ月で貯金することができました。あんなに働くのはもう二度とごめんだけど。

もうひとつは先住民とのコネクションです。カナダワーホリの目的だったので、お金よりもなによりも嬉しい収穫でした。

B社が犬ぞり専門の会社というのは先に説明しましたが、会社のオーナーであるG氏はカナダで有名な犬ぞり師でもあります。

イエローナイフで年に一回開かれるロンジョン・ジャンボリーというお祭りで犬ぞりレースを主催し、カナダやアラスカの犬ぞり師がグG氏を慕って集まります。

僕が親しくなったのは、ロジャーという犬ぞり師でした。彼はフォートレゾリューションという僻地の村に住むデネ族の男で、G氏の親戚です。室内では常に半裸で行動し、筋肉自慢をしてくるナイスガイ。

ロンジョンジャンボリーが開かれる数日間、ロジャーは会社の寮に滞在していたので、ぼくが先住民の文化に興味があることを伝えると、

「だったら俺の村に来い、イエローナイフじゃホンモノの先住民の暮らしなんて見られないだろ?いつでも猟に連れてってやるよ。春ならバッファローだな、ホンモノの先住民がホンモノの肉を食わせてやるぜ」

と、誘ってくれました。ワーホリがはじまって半年、ついにカナダ先住民とのコネクションができたのです。

犬ぞり師のロジャー。屈強なメティ(先住民)の男である。

先住民デネ族との暮らしと、バッファロー猟

バッファローの足跡を追う。

冬のオーロラ観光シーズンが終わると、すぐにロジャーのいるフォートレゾリューションにむかいました。

4月になって気温が上がりはじめ、雪もだいぶ解けており、猟に出るにはギリギリの時期。ロジャーと他4人のハンターと共に、さっそくバッファローハントに出ました。

現代のカナダ先住民は、昔のように犬ぞりはつかわず、スノーモービルでハントに出ます。片道200キロ以上の道のりを半日かけて走り、バッファローを探します。

スノーモービルなんていう現代的なテクノロジーつかってたら、「先住民的じゃない」と思うかもしれません。けれど、彼らはGPSを使うことなく村から遠く離れた猟場にたどり着き、どこにいるかもわからないバッファローを探すことができる。

道があるわけじゃない。案内板なんてない。ぼくの目には同じような雪原が広がっているようにしか見えない。自分一人だったら、すぐに自分の位置を見失い、遭難して死んでしまうような環境。

文字通りのWilderness(人の手がはいっていない原始の自然)なのです。

写真のような、特徴のない地形が延々と続く。いったい何を目印にすすんでいるのか。

一体どうやって?と疑問に思うけれど、そこに彼らが先住民である所以が隠されているのかもしれません。

先住民とは読んで字のごとく、先に住んでいた人のこと。昔から住んでいて、土地のことを熟知しているからこそできる芸当。移動手段が犬ぞりからスノーモービルに変わっても、先住民以外には真似のできないことなのです。

僕はロジャーの運転するスノーモービルの後ろに乗っていただけですが、何の目印もない雪原を当たり前のように走るロジャーの背中に、強い尊敬を覚えました。酒を飲みながらの運転だから怖かったけど。

さて、肝心のバッファロー猟ですが、結果は不猟でした。

が、他のチームがハントしたバッファローをもらうことができたので、解体したり、先住民の料理を食べることはできました。バッファローの味は、そんなに美味くなかったです。人間が丁寧に育てたビーフのが断然うまい。味は問題じゃないんですけどね。

これは夏にフォートレゾリューションを再訪したときに獲ったバッファロー。

さて、雪解けが進み、スノーモービルがつかえなくなってしまったので冬の猟は終わりです。かなり短くまとめてしまいましたが、4週間ほど滞在したフォートレゾリューションを離れるときが来ました。

この村にずっと滞在し続けるという選択もなくはなかったんですが、あまりにも田舎すぎて1ヶ月以上の滞在は僕には無理。

自分は辺境の村で長く過ごすことができないタイプの人間なんだと悟りました。数ヶ月も滞在してしまう人類学者はすごい。ぼくはもう少し娯楽のある場所で暮らしたい。

(その後何度かフォートレゾリューションに通うことになるんですが、その話はまた別の機会に)

2016年(夏)〜2018年(秋):カナディアンロッキーでの生活

イエローナイフで働いていたときに知り合った友人に誘われてキャンモアという街にやってきました。

仕事はまたもやガイドです。湖を案内したり、山をハイキングしたり。

ここで働いた会社から、運良くワークビザをサポートしてもらえたので、ワーキングホリデー終了後も働くことができました。

レイク・オパビンにて。こんな素晴らしい自然の中で仕事できるなんて最高です。

Mtヤムナスカにて。高山植物の勉強をするぼく。

カナディアンロッキーでハマったのはロッククライミング。暇さえあればクライミングをする日々を過ごしていました。

カナディアンロッキーでの生活はとても楽しいものでした。これまでの人生で過ごしたなかで一番気に入った街です。

なんでこんなにも気に入ったのか。考えるにそれは、自然と人間との距離間が絶妙だったからだと思います。

ぼくは比較的、自然が好きなタイプの人間だと思っています。なるべく自然に近い場所で生活したい。だからこそ自然のなかで暮らしている先住民を尊敬し、憧れを抱いていました。

でも、実際にデネ族のひとたちと暮らしてみた感想は、「ぼくは自然が強すぎる場所に適応しきれない」ということです。

腰までしずむ深雪をラッセルし、斧で邪魔な木を切り倒しながら進むロジャー。移動するために何度もこの作業を繰り返します。

バッファロー猟のさなか、先住民の知識や技術のすごさを知ると同時に感じたのは、圧倒的なまでの自然の強さでした。

雪原にはブッシュ(林)があり、ときにスノーモービルが通れないような部分もあります。そんなとき、ロジャーは斧やチェーンソーをつかって木を切り倒して進みます。

そこでは、「自然保護のため、植物を傷つけてはいけない」という、都会的な考えなんて通用しません。ただ、邪魔だから切り倒す。

猟に出るたび、ロジャーたちは無慈悲に木を切り倒していくのに、ブッシュがなくなることはない。それは、人間の力が自然の力に負けているということで、恐ろしいと思うし、素晴らしいとも思います。

そして、そういう土地で生きるということは、「常に自然と戦っていなければいけない」ということだと気づいた時、僕にはそんな堪え性はないし、知識も技術も体力もないんだと悟ったのです。

そういう意味で、フォートレゾリューションで先住民の生き方を続けているロジャーのことに尊敬をせずにはいられないのです。

雪原にバッファローの頭蓋骨がぽつんと。

2019年(秋)〜:ホワイトホース

ホワイトホースでは、ユーコンカレッジに通います。入学の目的は、ポスグラでのオープンワークパーミット取得。

というのも、カナディアンロッキーの会社ではワークビザはサポートしてもらえたものの、永住権の申請ができない状況が続いてました。

いずれカナダに移民したいと思っていたので、一大決心をしてホワイトホースへ。カレッジ卒業後は、ユーコンノミニープログラムを使って移民申請をする予定です。(2019年現在の予定)

 

 

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