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世界一周旅行記のまとめ丨 中国・ウイグル編

この記事は、2011〜2013年に海外をフラフラと旅をしていたときの日記と写真を、ムック風にまとめたものです。

年末のPC整理をしていたら出てきたので、このブログにも再掲載。読み返してみるとかなりポエティックな内容で恥ずかしい。だけど懐かしく、我ながらいい旅をしていたなあと思います。

今回は旅のはじまり、中国西部〜新疆ウイグル自治区の旅行記です。

My Dear China

国と国という見方では、決して仲の良い国ではないと思う。日本にいればポジティプなニュースはあまり聞かない。西に向かって旅をするというおおまかに決めたルートも、中国はできるだけ早く通り抜けようと思っていた。反日という感情を持った人たちと日本人のぼく。楽しめる国じゃない。というのが、旅に出る前の正直な気持ちだった。

 

中国で、中国人と。

中部国際空港から香港に渡り、旅が始まった。深センの税関を抜ければ、もうそこは中国。完全に中国人の国、つまり中国語の国だ。この国では中国語を話すのが常識で、道を訪ねるのにwhereなんて単語は通用しない。欧米諸国の影響が強い日本では忘れがちだけど英語は決してして地球語ではないのだ。

漢字をつかう日本人は筆談でコミニュケーションをとることができる、とガイドブックに書いてあった。それは半分正解で、筆談はこの国を旅するのにとても助かった。けれど、彼らとコミュニケーションをとっていけたのは、それだけではなかったように感じる。

うまく言葉で言い表せないけど、彼らがもつ「中国人らしさ」のなせる技なんじゃないかと思うのです。中国人は親切で面倒見がよく、チャーミングで人懐っこい。そうかと思えば、愛想がなく、自分勝手で、男女にかかわらずやんちゃなこともする。良くも悪くも、他人に対して遠慮がない。旅行者にだって例外じゃない。他にも言葉にしきれない「中国人らしさ」にいつのまにか惹かれ、愛おしく思ってしまうのです。

露天のおばちゃん、タクシーの運ちゃん、食堂の店主、宿のオーナーさん、電車で乗り合わせた大学生。何人の中国人と出会っただろう。意気投合し、何日も一緒に旅をしたこともあった。あたり前のことだけど、中国では、中国人と関わることになる。そしてそれが、どんな観光地に行くことよりも、この国を楽しむのに大切なことなのではないだろうか。

旅のはじまり中国ではそんなことを思ったのでした。

 

トラベル メソッド

成都では同じ宿で10泊ほどした。ちょっとした長期滞在だった。というのも、両親に頼んで日本から送ってもらった荷物がなかなか届かなかったのだ。

成都周辺には魅力的な観光地も多かったけれど、荷物を受け取るために日帰りで戻れない場所に行くことが出来ない。予定外の連泊ということもあって、あまりお金をつかうわけにはいかない。僕はひたすら成都市内で暇を潰すことを余儀なくされてしまったのだ。

しかし結果的に、この経験はその後の旅にとても役に立ったように思う。大きな街の散策のしかたを自分なりに見つけることが出来たのだ。

やることはとてもシンプル。行き先はどこでもいいから市バスに乗り、適当なところで降りるだけ。その後は散歩をして、お腹が空いたらご飯を食べる。そしてまた市バスに乗って、良さげなところで降りるのだ。そんなことを繰り返し、フワフワと散歩をしていると、すぐに自分がどこにいるのかわからなくなった。

どこだかわからない路地には、有名観光地にはない飾らない中国の日常が繰り広げられていた。おじさんは道端で将棋に熱をあげ、おばちゃんはぺちゃくちゃと喋りながら刺繍をしていた。服装も髪型もおしゃれにキメている女の子、一方ボーイフレンドは角刈りでどうしようもなくダサいのが成都のカップルだ。そんな彼らを眺めていれば、暇を持て余すことはなかった。

そしてこの暇つぶしのもうひとつの目的は「道に迷うこと」だ。成都の地図は一応持っていたけれど、僕は極度の方向音痴。宿に帰るには、人に道を尋ねるしかない。成都では誰かに道を尋ねると、中国人特有の早口&大声でお喋りがはじまり、「どうしたんだ?」とまるで群がるように人が集まってくる。

中国語を話せない僕をそっちのけで道端の会議はすすみ、どうにかこうにか宿への帰り方をおしえてくれるのだ。ときには無視されることや、冷たい反応をされることもあったけど、それもまた中国人。いつのまにかそんな風に楽観的に考えられるようになっていった。

次の日も、また次の日も僕は市バスのはしごをした。人頼みでいい加減なこの旅のしかたは、恥ずかしながら僕にはとてもあっていた。なんて画期的な楽しみ方なんだ、と、心の中で自画自賛するしまつ。

さて、次のバスはとこに連れて行ってくれるんだろう。どんな路地で迷うんだろう。



ウイグル族の暮らす地へ

ウルムチ駅から外に出ると、それはもう、色々なものが変わった。

街の看板には簡体字といっしょに蛇のようなウイグル文字が記され、路上では羊肉の串焼きや、ドライフルーツが売られている。

人々の顔のつくりは今まで見てきた漢族のそれとは違い、目の色だって違う。髪の色も茶色がかっている。女の人はカラフルなスカーフを頭に巻き、人によっては顔全体を布で覆っている。(目すら出していない!)

彼らは中国語ではなくウイグル語という聞き慣れない言葉を話していた。そういえば、漢字二文字で表されていることの多い中国の都市が多い中、この街の名前はウルムチ(烏魯木齊)という独特の響きを持っている。

街を歩いていると、どこからか歌のような叫び声のような奇妙な放送が流れてくる。なんでも15回あるイスラム教のお祈りの時間を知らせる呼びかけで、アザーンというらしい。

人、街の様子、言葉、文化さえー変した。国境を越えたわけでもないのにだ。こんなにも色々なものが異なる地域をひとつの国でくくってしまう中国。まったくこの国には飽きれたものか関心したものか。ともあれ僕は、新疆ウイグル自治区の異国情緒に、とても興奮してしまっていた。

数日滞在したウルムチをあとにし、更に西へ、カシュガルに向かった。

そしてまた、変わった。いや変わったというより、イスラムの濃度というか、純度というか、そういうものが強くなった。ウルムチではよく見かけた漢族も、ここカシュガルではほどんど見ない。

モスクの建築様式は、大きなタマネギをのせたようなイスラム様式で建てられている。そこから流れるアザーンの音量にも遠慮がない。

風景や音楽と同じように、匂いもまたウイグルらしい個性を放つ。週末に開かれる動物市場では、ありとあらゆる動物たちで埋め尽くされ、人間たちは動物のスキマを縫うように歩き回っていた。取引されている動物のなかで最も数が多いのはやっぱり羊。動物市場の匂いは羊の匂いといってもいいくらいだ。

鼻をつまみたくなるような家畜の匂いはもちろん、露天ではカワップ(羊の串焼き)やプロフと呼ばれる羊肉と野菜で炊き込んだご飯、ラグマンという、これまた羊肉と野菜のあんがのった麺料理など、たまらなくおいしそうな羊の匂いもただよっている。

暑さに疲れてきたら、ウイグルの特産ハミ瓜を食べてひと休み。ジューシーで甘みが強く、日本で食べるメロンとは比べられないおいしさだ。こんなに贅沢なフルーツを、喉が渇くたびに買い食いできるのもウイグルならではの楽しみ方。

お昼時を過ぎると、目当ての動物を買った人たちがぽつぽつと家路につく。喧騒でにぎわっていた動物市場も、夕方にはおひらきだ。

街に戻ればまた、けたたましいアザーンが聞こえてくる。通りにはカワップを焼いた煙のいい匂い。

夕飯も当然、なにかしらの羊料理を食べるんだろう。カシュガルの週末は、こうして過ぎて行くのでした。

 

移動のおはなし

カシュガルを離れ、次に向かう先は中央アジアの国キルギスタン。

ルートはいくつか考えられる。ウルムチからは飛行機が飛んでいるし、カザフスタンを経由して鉄道で向かうこともできるだろう。手っ取り早いのはカシュガルから出ている国際バスに載っていく方法だ。ただ、バスは毎日出ているわけではなく、値段も少し高い。結局、一番安く行けるというタクシーを乗り継いでいく方法を選択した。

早朝、暗いうちから出発し、夕方に国境に着く。その日は宿に泊まり、翌日中国側のイミグレーションを通過した。

普通の国境であれば、出国イミグレーションを通ったら、次は入国イミグレーションだ。しかし、ここはどうやら「普通」の国境ではなかったらしい。そのまま外で待機していると、運送トラックに乗せられてしまった。

中国出国スタンプだけ押され、キルギスタンの入国スタンプがないまま、どこへ行くかもわからないトラックの助手席にのっている。どう考えてもおかしな状況だったけど、ここは中国なのだ。良くも悪くもおかしな状況というのに慣れてしまって、「まあ、なるようになるだろう」なんてのんきに考えていた気がする。

一方ドラックのドライバーは「ヤポンスキー?ハラショーハラショー」と機嫌良さげにタバコをふかしていた。

15分ほど走り、彼はぼくを降ろすと、小さな建物を指差して、あそこへ行けという手振りをした。そしてそのまま、お金を要求することもなく走り去っていった。わけのわからないままたどり着いたこの建物が、キルギスタンの入国イミグレーションだった。

どういう理由があるのかはわからないけれど、この国境のイミグレーションは中国側とキルギス側に数キロほどの緩衝地帯がある。そこを徒歩で歩くのは時間がかかるし疲れるだろうということで、国際運送トラックに便乗させてもらえるようになっているのだ。

やっぱり中国、さすがは中国、旅人を退屈させない。名残惜しさでいっぱいだけど、とりあえず、しばしのお別れです。再見。

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